「The Twine」

巨石の前に太麻縄を天井から垂らした草房のなかにわたしは潜んだ作品

一本ずつ麻の緒をラセン状に巻き込み縒りにかけ、一挙に縄になってゆく様の美しさにわたしは感動した。千年を越える伝統の神社仏閣用の神事に使う縄を製造していた山川正次に、世界にない前衛芸術作品に仕立てる術の挑戦をもちかけたのだった。初めは相手にされなかったが、通ううちに心打ち解け、わたしが要求する新しい技にも、伝統職人としての意地で拒否せず挑み、わたしたちは次々と世界初出の太い縄の作品を産み出すことができた。現代社会から消えゆきそうな伝統職人技と芸術家のコラボレーションの始まりだった。The twineが初めての作品である。巨石の前に太麻縄を天井から垂らした草房のなかにわたしは潜んだ作品だ。

光のママン同様に帰巣する。それは太古の大気を吸い込みたかったからだ。
この作品に対して、Beyond Crafts of The Art Fabric 本にThe twineの作品を記載したミルドレッドコンスタンチンは、「八木はモノと人間が触れあい親密に調和した関係を創っている」と書いている。わたしが感じていたことを見事に評論してくれた。

参考文献:Beyond Crafts of The Art Fabric Mildred Constantine/Jack Lenor Larsen


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